68.朝日 旦飯野神社(あさいいの神社)
朝日 旦飯野神社は、JR古津駅(信越本線)の東南1Kmの金津中学の東側の丘陵に東向きに鎮座している。

「延喜式」(神名帳)所載の蒲原郡「旦飯野(アサイヒノ,アサイノ)神社」の論社のひとつである。(阿賀野市宮下の旦飯野神社も延喜式内・旦飯野神社を称している。)

当社は,もと諏訪神社で「神社明細帳」(明治十六年)に「中蒲原郡朝日村字切通シ馬場 無格社 諏訪神社」とある。加筆訂正では、「中蒲原郡津島村大字朝日字切通シ馬場 無格社 諏訪神社」となる。朝日村の産土神で,祭神は健御名方命であった。 明治二十二年(1889)に字若宮の旦飯野神社(誉田別命)を合併し,社号を「旦飯野神社」に改称した。(よって拝殿の額には「諏訪神社・旦飯野神社」と併記されている。)この時から、祭神は、譽田別命となる。祭日は、四月十九日、八月二十四・二十五日(四月十九日、十月十九日)である。


もともと朝日村の鎮守は、江戸初期の頃まで旦飯野神社であったが,江戸時代に新発田藩領となってから鎮守が諏訪社に変更されたのであり,「かつての旦飯野神社は社地も広くケヤキの大木があった,」という土地の者の口説を紹介している。
朝日の旦飯野神社の創建は不詳です。しかし、平安時代の延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社として記載された旦飯野神社の論社で古くから信仰されていました。
平安時代から暫くは、社運も隆盛し広大な境内に様々な社殿が建立されていたようですが度重なる天災や戦災、火事などで衰微していました。旦飯野神社は、守護不入の地として租税などの免除も受けていたようです。江戸時代に入り新発田藩領(藩庁:新発田城)になると現在地に鎮座していた諏訪神社を鎮守とするように命が下ったため、旦飯野神社の信仰も失われ小祠程度になりました。
当初の祭神かは不詳ですが誉田別命が祀られ若宮八幡宮などと呼ばれていたようで、旧鎮座地は朝日地内字若宮で普談寺の境内だったと推定されています。
明治22年(1889)、その諏訪神社に旦飯野神社が合祀され社号が諏訪神社から旦飯野神社に改称、明治41年(1908)に近隣に鎮座していた稲荷神社、石動神社、下諏訪神社、十二神社を合併して昭和5年(1930)に村社に列しました。
現在の旦飯野神社社殿は明治30年(1897)に改築されたもので拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、平入、桁行3間、梁間2間、正面1間向拝付、外壁は真壁造板張り、向拝木鼻には獅子の彫刻が施されています。本殿は拝殿から直接回廊で繋がっており、覆屋(おおいや)がある為不詳です。祭神は誉田別命。合祀神は建御名方命、事代主命、倉稲魂命、石動彦命、大山祇命です。

手水舎と小さいけれども神楽殿がある。


手水舎の近くには、天皇陛下御即位(令和)記念の植樹がされていた。また神社右手には、神事に使うものなどを入れて置く倉庫らしきものがある。


【境内社、石塔】
明治四十一年(1908),村内の字山境の稲荷神社(倉稲魂命),字坪ケ入の十二神社(大山祇命),字塩辛の石動神社(石動彦命),字山境の下諏訪神社(事代主命)を合併した。
拝殿の左横に,小さな社殿や石塔(大山祇神・伊夜日子大明神)と少し離れてもう一つ石塔(金毘羅大権現)がある。
「神社明細帳」(明治十六年)には境内社として神明神社(天照皇大神)と天満宮(菅原道真朝臣)の二社を記録する。



かなり大きな神社ですが、色々と経緯が有りそうな感じです。下記に神社に行くと掲げられて居る「旦飯野神社の解説」を掲載して置きました。
【旦飯野神社の解説】
当社は延喜式内社で、越後五十六社の中の一つである。中世には若宮八幡大菩薩と称され古来有名な大社で地方信仰の中心となし境内地約二千四百坪は往古より守護不入の地として領主地頭も検地することもなかった。境内には槻(欅)桜の樹多く中には高さ数十丈もあり夕陽にはその影が東方四キロ米にも及んだと言われ一本枝から臼が三十三個取れたという大樹もあったそうである。しかし、数百年の間に戦乱火災等で哀頽し社殿も小さな祠となり、建て替えの資力も無く明治二十二年十一月五日同じ朝日地内の諏訪神社に合併し社名を旦飯野神社と改称した。明治三十二年改築、明治四十一年村内の稲荷神社、石動神社、下諏訪神社、十二神社を合併した。昭和五年村社に列せられる。
延喜式内社とは、延喜五年(905年)醍醐天皇の勅命により全国より神威の高い神社を国司の上申中より選び神祇式神名帳に登録され国家より新年祭等に幣帛を奉呈されることが義務付けられた神社である。
阿賀野市宮ノ下に鎮座する旦飯野神社も同じく延喜式内社を称して論社となっています。この論争に関する私見は、このシリーズの特別編として、別途特別に報告書を作成して、そこで詳しく報告したいと思っています。(byムーミンパパ)
【御神楽】
朝日神楽=獅子神楽。演目は神楽舞(鈴舞・幕絞り・玉遊び・岡崎・天狗舞・天狗と神楽の立回)・四方切り・手踊り・棒踊・おかめ狂言・三公八公・漫才
9年前の作品を下記に掲載します。