小須戸(渡場町)の馬頭観音

信濃川沿いの川湊として繁栄した小須戸。江戸時代には、馬を競り売りする馬市も開かれていました。荷物を運んだり、田畑を耕したりするため、家族のように大切な存在だった馬。
馬市には多くの人が集まり、にぎわいました。

その馬市の名残と言われるのが、船着き場の跡に近い渡場町(わたりばちょう)にある馬頭観音の石仏です。

元は信濃川の堤防上にあったのを、道路の拡幅により現在地に移したそうです。

信濃川を渡るため船に乗せられた馬がおぼれ死んでしまったことをいたみ、天保年間(1830~40年代)に馬宿の尾崎屋円助らによって建立されたと伝わります(尾崎屋という旅館は、この像のすぐそばに今もあります)。

馬の頭を別の白い石に彫って、はめ込んであります。最初から?白馬にしたかった?謎です。

小須戸の馬市は、明治10年(1877)ころにはすたれてしまいましたが、この馬頭観音は行き交う馬や船、ではなく自動車を今も見守り続けています。