42.覚路津 八幡宮

覚路津八幡宮は、JR信越本線の新津駅の北西5Kmの信濃川と小阿賀野川の合流するあたりに西向きに鎮座する。「神社明細帳」によると「中蒲原郡覚路津新田円ノ花三枚潟字一本杉 無格社 八幡宮」とある。加筆訂正では「中蒲原郡荻野村大字覚路津字一本杉 無格社 八幡宮」となる。次に出て来る長割稲荷大明神と三津屋八幡宮は、覚路津(長割)・覚路津(三津屋)という地名に成っており、覚路津の一部となって居るので、神社明細帳に掲載されて居ない。

慶安元年(1648年)当村の開設に際して創立されたという。祭神は譽田別尊で覚路津新田の産土神である。祭日は、四月十五日、八月二十六・二十七日(四月十五日、九月十五日)である。風格からすると村社であっても良い位の神社であるが、拝殿の入り口の屋根が無い造りになっている。

境内は、割りあいに広い。鳥居、狛犬、灯篭など、いずれもよく整備されている。信濃川の土手が県道1号線に成って居て、そこから見下ろす形に成っている。土手より可なり低い位置に集落が有るので、昔は湿地帯で今でもそんな集落を水害から守る様に社殿は川をむいて建っている。社殿は新しく、欄間の組子装飾が綺麗です。境内の左側には公民館があり、当日も使われて居ました。色々と利用している様でした。前日も来たのですが、境内の中で子供たちが野球をしていて、当日も境内の所に有るブランコで子供が遊んで居ました。村落に中に有る神社らしい所で、地域と密着した関係性を感じます。

拝殿背後の本殿は、外からは入れないが直接見る事が出来る。「明細帳」に境内社として神明宮(大日霎貴尊)を記録するが、確認できない。

立派な手水舎が有ります。

【境内社(白山神社・生石神社)】 拝殿の右側に境内社が二社祀られている。境内社にしては立派な鳥居を持っています。
白山神社は「明細帳」によると明治四十五年(1912年)、村内の白山媛神社(菊理比賣命)が当社に合併された。「明細帳」に「中蒲原郡覚路津新田円の花一本杉 無格社 白山媛神社」とある。記載の大きさのままなので、そのまま移籍されて、安置されて居るものと思われます。

生石神社については、「明細帳」に記載が全くない。以前の小口の間神社と同じように、私的に作られた神社の為、登録が出来なかったものと思われます。
生石神社については次の伝承がある。

「かつてここに池が有り、八万宮境内の石を子供が池に放り込んだところ、その夜は大嵐になった。翌日、石は元の場所に戻っていた。その日も石を池に入れたところ、ふたたび同じことが起きた。村人が祠を作って石を納めたところ、石がだんだん大きくなった。以後、これを<生き石>と呼んだ。」

【お地蔵様】
神社参道の右隣にお地蔵様の可なり立派なお堂が建っている。「南無六道能化地蔵願王菩薩」と書かれてある。

【御神楽】 覚路津神楽=獅子神楽と花笠踊り。獅子頭は覚路津・三枚潟・三津屋・長割の4ケ村の伊勢御礼を集め、これを固めて作ったと言われる。残念ながら映像は無い。(byムーミンパパ)